対面だとうまくいくコミュニケーションがリモートワークになるとうまくいかない−−。
柔軟な働き方を実現できるリモートワークは便利な一方で、ちょっとしたミスコミュニケーションによって仲間との信頼関係に影響を及ぼす危険性もあります。
そこで、本記事では、リモートワークで信頼関係をつくるために必要な4つのポイントをお届けします。
目次
リモートワークのコミュニケーションが失敗する理由
リモートワークは、自宅やカフェなどの会社以外の場所で仕事をする勤務形態を指します。場所や時間の制約にとらわれない柔軟な働き方を実現できるのが大きなメリットです。
リモートワークは便利な一方で、チームで協力しながら仕事を進める場合に、リモートワーク特有のコミュニケーションの問題に直面することがあります。
例えば以下のような問題が挙げられます。
- 物理的な距離によるミスコミュニケーション
- 時差によるミスコミュニケーション
- 勤務時間の違いによるミスコミュニケーション
- 文化的な背景の違いによるミスコミュニケーション
多くのリモートワーカーが直面する問題に物理的な距離が挙げられますが、チームによっては時差や勤務時間なども問題になることがあります。
こうした問題を解決して、リモートワークのメンバーがいるチームでも高い生産性を維持するためにはどうすれば良いのでしょうか。
そこで重要なのが「信頼関係をチームで築いて円滑にコミュニケーションをすること」です。
リモートワークのコミュニケーションを成功させる4つのポイント
リモートワークでのコミュニケーションを円滑にして、信頼関係を構築するのに必要な4つのヒントをご紹介します。
1.コミュニケーションルールをつくる
リモートワークは対面でコミュニケーションができないため「自分の考えがチームメンバーに届かない」と感じているメンバーがチーム内にいるかもしれません。
こうしたコミュニケーションの問題は以下のような「孤立」と「過干渉」が原因で起きています。
- チーム内のやりとりが不十分
- 管理者が頻繁に干渉しすぎる
- リモートメンバーが緊急のミーティングに加われない
- オフィスメンバー同士が1対1の話合いに時間をとりすぎる
こうした問題を効率よく乗り越えるために、チームで一貫したコミュニケーションルールをつくりましょう。
相手の勤務環境を考慮する
コミュニケーションルールをつくるときは、メンバー個々人の条件を考慮しましょう。
例えば、パートやフリーランスのメンバーなら、他のクライアントの業務とすり合わせて柔軟に参加できるよう考慮します。フルタイムのメンバーであれば、対面、ビデオチャットやチームチャットツールなどでやりとりをするのに合理的なタイミングをそれぞれ見極めましょう。
全員の環境を踏まえて、コミュニケーションをするのに1日のどの時間帯が最適か、全員で認識を合わせましょう。
計画の変更を積極的に伝える
会議時間の変更など、当初の予定から変更がある場合は、リモートで参加するメンバーにできるだけ早くお知らせしましょう。
当然ながら、リモートのチームメンバーはオフィスで起こっていることを直接知る方法がありません。緊急時に備えた連絡体制を確立するのはリモートワークにおいてとても重要です。
このような情報共有にはチームチャットツールが役立ちます。ツールによっては、相手のユーザー名をメンションすることですばやく情報を伝達できます。
2.親しみと気づかいを込めた会話をする
親しみやすい雰囲気で会話が始まると、驚くほどコミュニケーションが発展し、良い結果につながることがあります。
対面で接するときのような「おはよう」「週末どうだった?」といったやり取りをリモートワーク時のコミュニケーションにも応用していきましょう。
リモートではたらくメンバーと接するときに多くのひとがやってしまいがちなコミュニケーションに、あいさつや世間話を忘れていきなり仕事の話をふってしまう、ということがあります。
ぶっきらぼうに「報告の準備はできていますか」と聞くよりも、親しみを込めて「お疲れさま、調子はどう?」と会話を始めたほうがお互い気持ちよく作業ができます。
このような親しみのある挨拶は、リモートメンバーに「自分は感情を持つ人間で、決してチャットツールの向こうのロボットではない」と感じさせる安心感につながります。
仕事を依頼するときは相手に対する気遣いを忘れない
リモートメンバーに仕事を依頼をするときは「時間」について触れることを意識すると良いでしょう。
相手の作業負荷を考慮していることが伝わるように、以下のような言い回しを使いましょう。
- こんにちは。お手すきの時にPDFを送っていただけますか?
- 後で時間があったら、電話で話す時間を少しとりませんか?
- 〇〇さん、このプロジェクトにさける時間はありますか?
仕事をお願いする際に、相手の時間に限りがあることを承知している旨を伝え、相手の仕事を認めていると態度でしっかり示すことが重要です。
気遣いを表すためのテクニック
リモートワークでは相手の表情は見えません。そこで、絵文字やGIFなどを使ってチャット上の緊張感をほぐしましょう。笑顔やウインクを追加することで、あなたの言葉が厳しい口調で発したものではないとチームに知らせることができます。
メンバーにフィードバックを積極的に求めることも重要です。チームメンバーの言葉に耳を傾けるような積極的傾聴(アクティブリスニング)をすることで、チームの繋がりを強化できます。
些細なことでもチームメンバーの「良い仕事」を見つけて感謝することを忘れいようにしましょう。リモート環境のメンバーが期待以上のパフォーマンスを見せたら、メッセージを送って努力をたたえましょう。相手の仕事を認めるちょっとした声かけには、チームの結束を強める絶大な力があります。
3.リモートワークのメンバーと仲良くなる
リモートワークをしているメンバーは、チームの結束からひとり外れていないか不安に思うことがあります。こうした不安を解消するために、日頃からチームメンバーを知ろうとする姿勢を持ちましょう。
例えば、業務について延々と続いているチャットを一時停止して、チーム内の役割からちょっと外れた質問をしてみましょう。
相手に質問して気まずくなるのが心配であれば、自分が興味を持っていることを話しても良いでしょう。ひょっとしたら好きなサッカーチームが同じ、なんてこともあるかもしれません。
リモートだけでなく対面でのコミュニケーションにも有効
相手を知ろうとする姿勢は、対面でのコミュニケーションにも有効です。
形式ばった交流会を開く必要はありません。以下のような方法で、チームメンバーと仕事以外のコミュニケーションの活性化をはかりましょう。
- メンバーがアイデアを提案できる共有ドキュメントをつくる
- チームのSpotifyプレイリストをつくる
- グループチャットに雑談用スレッドをつくる
- ファンクラブを始める(サッカー観戦、話題のTVドラマなど)
対面でのコミュニケーションが活発になると、チャット上でのコミュニケーションも円滑になります。気負いなく自由にアイデアを出したり、問題になりそうなことを指摘したり、わからないことを質問したりできるようになるでしょう。
4.全員でルールを持続する
チームの信頼関係を築くような試みをどれほど取り入れても、各人が努力して、最後までやり通さなければ円滑なコミュニケーションはできません。
例えば、以下のような問題がチームに起きていませんか?
- ミーティングを度々欠席する
- 未完成のタスクがたまっている
- 期限日を過ぎてしまう
- フィードバックやレスポンスがない
距離が離れていたり時差があったりするリモートメンバーとのコミュニケーションでは、こうした問題は大きなストレスになります。
お互いに円滑に仕事を進めるために必要なことを常に考え、問題が起きないようにチームで取り組んでいく姿勢を持続することが重要です。
まとめ
以上リモートワークにおいてコミュニケーションを円滑にするための方法でした。
信頼関係は、日頃からチームメンバーに心から興味をもち、意見に耳を傾け、自分の仕事を最後までやり通すことをすれば、ほとんど完成です。
配慮しなければならないことも多いですが、シンプルに「こんなチームメンバーと働きたい」と思うようなひとを頭に描きながら仕事をすると良いでしょう。
たとえば
「親しみやすい笑顔で、いつも周囲に声を掛け、ときどきチャットで絵文字を使う」
今日からそんなひとになってみましょう。