従来はビジネスパーソンの仕事ぶりを評価する際に、資格や業務処理能力など目に見える指標が選ばれていましたが、最近では人間性に焦点をあてた「ソフトスキル」が新しい評価指標として注目を浴びはじめています。
そこで、本記事ではチャットツールを使ってソフトスキルを鍛える7つの行動をご紹介します。
目次
ソフトスキルとは
ソフトスキルとは、コミュニケーション力、協調性、自発性、営業力、リーダーシップなどの目に見えない定性的なスキルを指します。
その対となるハードスキルは、情報処理能力、資格や認定など目に見えるスキルを指します。
従来は、後者のハードスキルが評価指標などで重視されていましたが、ERPシステムやマーケティングオートメーションツールなどによる業務の自動化にともない、ソフトスキルを新しい評価指標として重視する企業が増えてきました。
世界的な経済誌であるForbesなどでも「ソフトスキル」を解説した記事が公開されています。
注意力と謙虚な姿勢に注目する理由
ソフトスキルは、コミュニケーション力からリーダーシップまでさまざまなスキルを含んでいますが、ビジネスパーソンに重要なスキルとして特に注目したいのが、注意力と謙虚な姿勢です。
注意力は自身の業務だけでなく、チームで起きている変化に敏感に気づけるのに重要なスキルであり、謙虚な姿勢はチームや外部のクライアントとビジネスを円滑に進めるために欠かせません。
この2つのソフトスキルに焦点を置き、日常的に使用するチームチャットツールでスキルを鍛えるヒントをお届けします。
注意力を鍛える
最近の調査結果によると、オフィスワーカーは驚くほど注意散漫になっています。悲観的に聞こえてしまうかもしれませんが、実はこれは大きなチャンスです。
職場での注意力低下にともない、集中力や注意力への需要はかつてないほど高まっています。以前は社会人の基本的な性質だったものが、今ではスキルとして高く評価される可能性があるためです。
あなたの注意力の高さを持続的にチームに示していけば、有能なメンバーとして一目置かれるでしょう。
例えば、チームメンバーとのチャット一つをとっても、その影響力は無視できません。送信するメッセージの細部まで注意を払うことで、意外なほど周囲に認められます。
注意力を示すために、以下の4点をメッセージの送信ボタンを押す前に確認しましょう。
1.メッセージを送る相手は適切か
チームによっては複数のスレッドやカテゴリを使い分けています。例えば、進行中のプロジェクトのスレッドで技術の情報をシェアするのは好ましくないでしょう。
適切なチャットトピックに投稿し、該当するものがあればメッセージにタグ付けしましょう。
2.正確な情報か
リンクや添付ファイルが間違っていないか必ず確認しましょう。メッセージの内容についても同様です。数値を含んだデータやアドレスなどには特に注意を払いましょう。
3.メッセージに誤字脱字はないか
つい間違えることは誰にでもありますが、円滑なコミュニケーションのために、極力正しい日本語でメッセージのやり取りをしましょう。
チームが時間を割いて読む必要のある重要なメッセージなら、もう一度読み返して表現が適切かチェックしましょう。
4.相手の質問に答えているか
質問に対する答えが不十分だと相手を落胆させるかもしれません。
少しでも注意力が散漫だと自覚がある場合、自分宛のメッセージを読み返して、質問者の意図を迅速に理解できるように意識しましょう。
送信ボタンを押す前に、自分に以下のような問いかけをしてみてください。
- チームメンバーから質問を受けたときに正確でぶれない回答を返しているか?
- 回答は過不足なく、タイミング良く返しているか?
細部まで配慮していることがチームメンバーに伝われば、頼りになる同僚と認識されます。この絶好のチャンスを見逃す手はありません。
もしあなたがチームリーダーの場合、こうしたきめ細やかな注意力はより重視されます。自らが模範となってチームをリードできるように行動しましょう。
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謙虚さを鍛える
謙虚な姿勢のビジネスパーソンは、常に高い需要があります。『ハーバード・ビジネス・レビュー』でジョン・バルドーニ氏は次のように説明しています。
(謙虚な姿勢)があると調和のとれた協力体制が生まれます。なぜなら自分のアイデアを共有する際に軽くあしらわれたり上から目線で反論されたりする心配がないからです。
つまり、謙虚な姿勢を持ったメンバーで構成されたチームは、協調性に富んでおり、プロジェクトを成功させる確率も高いのです。
謙虚さを培うための行動としては以下の3点を意識しましょう。
- 自分のことをあまり深刻に考えすぎない
- 答えがわからないときは素直に認める
- 必要なときに周りに助けを求めるなど
謙虚な姿勢を鍛えて、発揮するのにチームチャットツールは絶好の場所です。以下の3点を取り入れてみましょう。
1.チームメンバーを正当に評価する
マイルストーンやプロジェクトを完了したとき、良い仕事に対してチーム全体がもれなく正当に評価されるように気を配りましょう。
チームメンバーが評価されていないことに気づいたら、積極的にチームに呼びかけましょう。
2.チームメンバーを賞賛するときにタグ付けする
チャットツールでは、日々たくさんのメッセージが飛び交います。賞賛を送りたいメンバーに適切にタグ付けをして、多くのひとの目に触れるようにしましょう。
3.人一倍努力をしたチームメイトに感謝する
期待をはるかに上回る仕事をしたメンバーがいたら、適切なトピックで感謝の言葉や気持ちを送りましょう。
ダイレクトメッセージでは十分でないこともあります。チームの利益のために誰がどれだけがんばったか、他のチームにも認識してもらうことが大切です。
謙虚な姿勢に加えて、こうした行動を積み重ねることで、あなたのチームへのコミットメントやチームへの感謝を表明できます。
謙虚に自分の限界を認め、周囲に感謝を伝えられるひとは、優秀なチームリーダーの資質があります。
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ソフトスキルは見せかけでは意味がない
注意力と謙虚な姿勢を鍛えるための7つの行動をご紹介しました。
これらは知っていると役に立つことばかりですが、見せかけでは意味がないということを必ず心に留めておいてください。
謙虚な姿勢の“ふり”は、横柄な態度を相手に取っていることと変わりません。
例えば、あなたの言葉と態度はチャット上でもオフィスでも、常に一致していますか?
機械的に言葉を入力するだけではなく、その気持ちが本物であることを態度で示すことも大切です。
もしあなたがチームリーダーの場合、チームに謙虚さを奨励するいちばん良い方法は、自分が手本となることです。
チームの成功を積極的に祝ったり感謝を表明したり、全員に賞賛のことばを送りましょう。メンバーの意見に耳を傾け、できる限り意思決定に反映させましょう。
質の高いリーダーシップにはひと並み以上の謙虚さが要求されます。
まとめ
ソフトスキルを磨き上げるには時間がかかるかもしれませんが、今後の自身のキャリアにとっても、チームにとっても身につけておいて損はありません。
技術の発展により、ハードスキルへの需要が変わりましたが、すべてのビジネスの土台となる謙虚な姿勢や注意力といったソフトスキルはいつまでもその価値を発揮します。
日頃から利用しているチャットツールを使って、本記事で紹介したソフトスキルのヒントを実践して、他のチームメンバーのお手本になるように意識しましょう。